IgGだけじゃない!? 免疫グロブリンについて

免疫グロブリンは、体に侵入してくる異物(主にウイルスや細菌などの病原体)と戦うタンパク質のことで「抗体」とも呼ばれており、免疫細胞から作られます。

生まれたばかりの子牛は、母牛からの初乳を飲むことで初めて免疫グロブリンを獲得することができます。

 

コウシのミカタでもおなじみの免疫グロブリンIgG。

牛では、初乳中に含まれる免疫グロブリンのうち9割近くがIgGであり、子牛にとってIgGは、病原体と戦うための必要不可欠な武器となります。

ですが、IgG 以外にも免疫グロブリンがあることをご存知でしょうか。

免疫グロブリンにはIgGの他に、IgA、IgM、IgD、IgE、計5つのタイプがあります。

ここでは、IgGと同様に子牛が病原体と戦うために重要な役割を担う「IgA」について、2回にわたってご紹介したいと思います。

 

まず、表のように、IgGとIgAは体内の分布や働きに違いがあります(表)。

 

 

 

 

 

 

 

IgGは、5種類の中で血中に最も多く存在します。体内に侵入してきた病原体と結合して無毒化したり、白血球の働きをサポートします。

IgAは、体内と外界の境界線である粘膜に存在し、唾液や鼻水、腸などの分泌液中に多く含まれます。細菌やウイルスの体内への侵入を防ぐ門番のような役割をしています。

ここで、子牛の血中IgG、血中IgA、唾液中IgAの推移を見てみましょう(図)。

重要なのは、

①初乳から獲得した免疫グロブリンは子牛の体内で時間とともに徐々に減っていく

②一方、子牛は徐々に免疫グロブリンを自ら作り出すことができるようになる

ということです。

当社では、IgGのみならずIgAにも着目し、子牛のIgAづくりをサポートする子牛用配合飼料「スタート18」を開発しました。

次回は、「スタート18」とIgAとの関係性についてご紹介します。