カルシウム資材の施用による草地の土壌pH調整
カルシウム資材の施用量の目安計算には主に、緩衝曲線法またはアレニウス表による簡易換算が使われます。
・緩衝曲線法で施用量を求める
緩衝曲線法は、施用量は土壌毎の緩衝能や目標pHによって異なるので、試験的に中和対象の土壌に使用する石灰資材(図2、3では炭カル)を段階的に加え、その後のpHの変化から求める方法です。横軸に使用した炭酸カルの量、縦軸に測定したpH値をプロットし、目標pHに対して必要なアルカリ成分の目安を算出します。図3の例の場合は約140gでした。
次に、実際の施用量を求めます。広さ10a、深さ10㎝、土壌の比重を1.0とした場合、求めた値を500万倍して700kgとなります。深さが20㎝の場合は2.0倍、また比重が軽い火山灰土壌の場合は0.6~0.7をかけます。
・アレニウス表で施用量を求める
アレニウス表(表2)は、pH6.5にする場合の目安となる炭酸カルシウムの必要量が記載されており、土壌改良に広く用いられています。アレニウス表を利用するには土壌分析などで現状のpHと土性、腐植含量を把握する必要があります。
例えば、腐植に富むpH5.6の砂壌土をpH6.5に矯正する場合に必要な炭カルの量は、229kg/10aとなります。また、深さ10㎝以上、例えば15㎝の場合は1.5倍に、比重の軽い火山灰土壌の場合は0.7倍で算出する事が推奨されています。
炭酸カルシウム以外の資材を用いる場合は表3で示した係数を参考にして下さい。
参考)
○農林水産省 https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/hozen_type/h_sehi_kizyun/pdf/tuti13.pdf
○岡山県農林水産部 土壌診断と土づくりの手引き. 第4章 土壌分析結果の評価と改良対策
○ホクレン 土づくりQ&A Q-14 http://www.hiryou.hokuren.or.jp/qa/q02_14_01.html