2022年8月12日 シリーズ 乳牛の分娩前後の低カルシウム血症(乳熱)を考える「最終回 低Ca血症になった場合の治療方法」 低Ca血症を予防するには、分娩前の骨へのCaの蓄積、分娩直前のCa過剰給与の回避、そして泌乳開始と共に乳量に見合ったCaの給与が重要です。分娩直後は骨からのCaの流出(Caの再吸収)はありませんのでこの時の […]
2022年6月30日 シリーズ 乳牛の分娩前後の低カルシウム血症(乳熱)を考える「第十一回 2つのCa吸収経路を使う」 今日は「1の(2)分娩後のCa供給不足→泌乳開始による急激なCa要求量の増加」の対応の仕方の提案です。 前回、分娩後3日間の血中へのCa供給は、消化管からの吸収に頼るしかない!というお話ししました。もうひと […]
2022年5月31日 シリーズ 乳牛の分娩前後の低カルシウム血症(乳熱)を考える「第十回 骨からのCa放出は分娩直後すぐには反応しない」 分娩後、生まれた新生子牛に初乳を飲ませるため搾乳をしますが、それまで乳にCaを排泄することの無い状態で生体内ではCaの出納バランスがとれていました。しかし搾乳の開始と同時に乳へのCaの排泄が始まります。この […]
2022年5月16日 シリーズ 乳牛の分娩前後の低カルシウム血症(乳熱)を考える「第九回 上皮小体ホルモン(PTH)とビタミンDのコラボ」 第八回で、乾乳後期にCaを過剰給与すると、ビタミンDの分泌が遅れて、乳熱の治療をしてもCa剤に反応せず再発することを述べました。今回は、Ca吸収からみたPTHとビタミンDの関係について解説します。 図9-1 […]
2022年3月31日 シリーズ 乳牛の分娩前後の低カルシウム血症(乳熱)を考える「第八回 分娩3週間前からはCa過剰給与厳禁」 第八回目の今回は、2の「Ca過剰性の低Ca血症→Ca排泄機構のコントロール」について解説します。 一時期、「分娩前はCaを給与してはいけない」といわれていました。なぜなのでしょうか?分娩前に負のカルシウムバ […]
2022年3月15日 シリーズ 乳牛の分娩前後の低カルシウム血症(乳熱)を考える「第七回 NRC2021年版 乳牛のCa要求量の計算」 第四回で、Ca要求量の計算方法を述べました。電卓で計算できる「日本飼養標準乳牛2017年版」の算定式を用いて検証しています。ところが昨年(2021年)12月に、NRC(Nutrient requirements of D […]
2022年1月28日 シリーズ 乳牛の分娩前後の低カルシウム血症(乳熱)を考える「第六回 骨へのCa蓄積は泌乳後期から乾乳前期がチャンス」 今回は前回の続きです。 泌乳中~後期になると泌乳量が減少してきます。ということは乳を通した体外へのCa排泄量が減ってくるということです。この期間、過肥にならないように給与飼料の栄養価を落としたくなりますが、Ca給与量は、 […]
2022年1月17日 シリーズ 乳牛の分娩前後の低カルシウム血症(乳熱)を考える「第五回 前産時から分娩に向けて骨へのCa蓄積」 ようやく本論に入っていきます。第一回目で書きました低Ca血症の要因です。 今回は 1(1)骨のCa蓄積不足→高泌乳時の不足を泌乳後期~乾乳期に蓄積回復不足、について説明していきます。 (1)骨のCa蓄積不足 […]
2021年11月30日 シリーズ 乳牛の分娩前後の低カルシウム血症(乳熱)を考える「第四回 乳牛のCa要求量の計算」 私達は、Ca要求量を、電卓で計算できる「日本飼養標準乳牛2017年版」の算定式を用いて検証しています。 要求量は上の式に当てはめれば計算できます。 注意しなければならないのは、給与量の計算時、給与するCa剤の「Ca含有率 […]
2021年11月2日 シリーズ 乳牛の分娩前後の低カルシウム血症(乳熱)を考える「第三回 カルシウム吸収を促進するオリゴ糖DFAⅢ」 オリゴ糖Di fructose Anhydride(以下DFA)は、チコリーの根から抽出されたイヌリンを原料に、酵素合成されたフラクトースが2分子結合した難消化性オリゴ糖で、ⅠからⅣまで存在しますが、工業的に生産されてい […]