草地の最適な土壌pHとは?
「草地の土壌pHは6.0~6.5に保つことが推奨されています」
今まで、乳牛にとってのCaの重要性や給与方法についてご紹介してきましたが、草地に対しても適切にCaを施用することで牧草の収量・栄養価UPが期待できます。今回は2回に分けて、土壌pH調整の必要性や牧草地へのCa施用量について解説します。
・土壌のpHとミネラル
降雨や化学肥料の影響により、土壌は酸性化しやすい特性があります。酸性化するとミネラルの利用効率や土壌中微生物の活動が低下するなど、作物に影響を与える場合があります。
図1は土壌pHと各主要ミネラルの溶けやすさを示しています。酸性に傾くと、リン酸、カルシウム、マグネシウムといった重要な成分の利用性が低下します。弱酸性のpH6.0~6.5が好適で、大部分の牧草の生育に適しています。
北海道施肥ガイド2020では草地土壌のpHが5.9以下の場合、石灰資材の施用を推奨しています(表1)。
土壌pHの矯正には石灰資材を用います。一般的には炭酸カルシウムを用い、マグネシウムも同時に施肥したい場合は苦土石灰が使われます。
次回は各圃場に合わせた石灰資材の施用量の求め方について解説します。
参考)
○北海道施肥ガイド2020 Ⅴ牧草・飼料作物